僕だけの世界地図 ~Going my way~

世界と僕だけの想い出

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【ガンジス川】体を汚してこそ感じるナニカ。そこで暮らす人々。




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ガンジス川沿いに宿を借りて、僕のガンジスライフは始まった。ガンジス川の第一印象はやっぱり、きったねぇ川。とてもじゃないけど神聖な川には見えない。訪れる観光客たちも身を清めに沐浴というよりは一種の我慢比べ。僕も同様に沐浴したかったが、ベトナムで負った脚の怪我がこれまで利用してきたジェネラル車の狭い環境で乗客達の足と何度も擦れて悪化してしまった。


便器の30倍も汚いと言われているガンジス川。敗血症などが心配で今回は見送ることにした。

僕ら観光客は必要最低限の着衣を身にまとい、1時間ほど沐浴よくした後、即行で宿へ戻りシャワーを浴びる。これがセオリー。

それでも何人もの人たちがお腹を壊す羽目になる。ガンジス川の恐ろしさを物語っている.....
沐浴は一種の観光行事の一つだが、やはり聖なる川ということもあって、ルールもきちんと設けられている。多くのインド人達が利用している沐浴場所では白のふんどしを利用しないといけないらしい。


世界でもその名が知れ渡るガンジス川。川に沿って歩いているといろんな光景を目にする。



川を利用して洗濯をする人、沐浴する人たちや、入水して遊ぶ子供達、沐浴中?の牛、トイレ中、もはや川は彼らにとって生活の一部に過ぎない。死後の世界とつながると言われているガンジス川、より近くで生活を送りたいとインド各地からやってくるインド人も多いよう。


洗濯も洗剤は使っているんだろうけど、ガンジス川で洗われた服はさすがに気持ちよくは着れないな.....

ガンジス川で沐浴する地元の人に話を聞くと、いくら失敗や悪い事をしてもガンジス川に入ると全てがリセットされるらしい。

その為、悪い事を繰り返す人もたくさんいるよう…

矛盾だ。




それにしても川沿いはそこまでじゃないけど、バラナシの路地はとにかく狭い。たたでさえ狭いのにも関わらず、インド人はもちろん、たくさんの牛達が道を塞ぐ。可愛らしい牛ならまだ許せるが、立派な角を持ったボケ〜ッッとした牛達。彼らに痛い目に合わせられた。


道を塞ぐ牛達の隙間を そ〜っと通ろうとした時、運悪く牛が振り返る。そして立派な角が僕のみぞおちにクリーンヒット。牛にブチ切れる余裕もなく、苦しくてその場にしゃがみこんでいるとインド人に爆笑された。 心配の"し"の字もなかった。 あのインド人の顔は死ぬまで忘れない。




そんな路地を一人で歩いていると、一人のインド人が話しかけて来た。


インド人に話しかけられるのは、何も特別なことじゃない。どこにいっても、何をやっていてもインド人には話しかけられる。インドにいるとそんなことは日常茶飯事。彼らはとても好奇心が旺盛。 




それがインドだ。



とりあえず話す事はどこでもタダ。話を聞いてみると、内容は火葬場の件。ガンジス川と言ったらやっぱり火葬場、生活を送る横で人が燃やされている光景は有名な話。どうやら二つあるらしくメインの大きい方の火葬場まで案内してくれるとのことなので、せっかくだし案内してもらうことにした。もちろん好意でお金はいらないと言われたので。


ただ、火葬場を見学し終わったら自分の店を見に来て欲しいと言われたが、気が進まなかったのでいいやぁとバックれるつもりだった。




街を案内してもらいながら到着した火葬場。ここの火葬場で人生のピリオドを打ちたいと、各地からたくさんのインド人達が集まる。


到着すると、係員みたいな人が近寄って来た。ここで働いてる人らしく安全で失礼のないように案内してくれるみたい。いつの間にやら連れて来てくれた人とバトンタッチ......




最初に連れてこられたのは火葬場に隣接されてる通称 ”死を待つ人の家”。不治の病や、希望で病気の治療をせず 最後を待つ人たち、お金がなく治療ができない人たち、身寄りのない人たち、がそこに収容されている。中には入れなかったが入り口にはシスターらしき人が座っていた。


彼女いわく、そこで死を迎えた人ちはもちろん、誰しも必ずガンジス川で火葬される訳ではないらしい。ガンジス川で火葬をされるには大金が必要でお金が足りない人たちは周りの人たちから寄付を募るそうだ。日本でも葬式を行うときはインドと同じく大金が必要。ガンジス川では10万ほどで出来るそう、かつてイギリス人女性が希望してガンジス川で火葬を行なった事例もあるらしい。



そして次に連れて来てもらったのが、火葬場。こんな言い方をしたら失礼だけど、ついに目の前で人が焼かれている光景を目のすることが出来た。生身の人間が自分の目の前で焼かれている光景を目にするのは、当たり前だけど初めて。少し興奮した。無礼と知りつつ、食い入る様に近づいて見ていたら親族らしき人に近づきすぎだと怒られた。"失礼しました"。


"神聖な木"が積み上げられた上にオレンジの装束で包まれた遺体が乗せられていた。このスタイルもピンキリで、"神聖な木"は秤で重さを計られ、重さによって値段が決まる。人によってはさみしい感じの火葬になっていたり、装束で覆うのも、もちろんお金がかかるので中には素っ裸で執り行なわれている遺体もあった。


神聖な火葬場である事には変わりないんだが、真横で普通に洗濯をしている人がいたり、平気で小便している人、牛も沐浴中だったりと観光者の僕の目には、ただただシュールな画だった。ヒンドゥー教の中途半端さも僕の心に引っかかった。神聖だ、神聖だと言うぐらいならもう少し厳重な環境を作ってもいいんじゃないかな。せめて周りだけでも。(僕個人の意見です) 

上からは写真を撮ってもいいとのことだったので、何枚か載せておきます↓↓









もちろん火葬場なので下は熱くて煙がすごく、1時間居ることがが限界だった。僕は火葬場の二階から一人の人間が焼かれて行く光景を最後まで(約2時間)見届けた。何かを感じると言うよりは煙と暑さの中2時間が過ぎていたので、やっと終わったと言う、ホッとした気持ちの方が大きかった。申し訳ない....これが生と死が混在する街か.....その後も少しの間、物思いにふけっていた。きっとこの感覚はここバラナシでしか味わえないだろうと。

お金のあるなしに関わらず、ここガンジス川で火葬されるのにもどうやら条件があるみたいで 妊婦、幼児、蛇に噛まれた人、聖人(多分 他宗教)、お金のない人、動物は資格に値しないみたい。原則、綺麗な体じゃなくてはいけないみたいなので、蛇に噛まれると体に毒がある=汚れたことを意味しNGらしい。 色々矛盾も感じるが.....

見終えてその場を出ようとしたら、案内役に先ほどの死を待つ人の家に連れて行かれ、ここで死を待つ人たちに寄付する様促された。強制ではないはずの寄付が半ば強制の雰囲気....断ると例のシスターから "あなたには今後たくさんの不幸が起こる" と罵られた。 お金を払う、払わないで人の幸せを決めるなんて、なんて低俗な宗教だ!とビックリ。 この日から僕はどうもヒンドゥー教を好きになれなくなった。


しかし今思うと今後、僕に降りかかる不幸の数々はこのシスターの予言通りなのかな....と思ってみたり.....



なにはともあれ、火葬場を後にし、怪我をして沐浴が出来ない体の僕は、船でガンジス川を感じようと安く乗せてくれないか船乗り達と交渉していた。



一組の船乗り達が500ルピーから300ルピー(420円ほど)まで落としてくれたのでお願いすることになった。船...というかボートはもちろん人力でかなりボロッちぃ....何年も使われていない様な雰囲気を醸し出す。転覆しないか心配だったけど、貸切でこの値段まで落としてくれる人がいなかったので他なかった。


ボートを漕ぎ始めて、川辺からだいぶ離れた時にあることに気づいた。ブンブン飛んでくる蜂.....そう、ボートの内部にに蜂の巣があったのだ。 昔一度刺されて痛みを知っている僕は蜂が大の苦手。悪夢の始まりだった。

発狂する僕に船乗りは爆笑しながら "大丈夫か?" と心配する気なんてさらさら感じられず、お前達のボートが全然大丈夫じゃないんだよ!と終始文句を叫んでいた僕だった。

こんな状態なので100%ガンジス川も感じられなかった。これがこの時できた僕の最大限の笑顔。




それにしても、流れに逆らって進んでいるのでめちゃくちゃ進むのが遅い。代わりにオールを借りて漕いでみると、そのしんどさを身をもって感じた。めちゃくちゃしんどい。まずオール自体が重いのと、流れに逆らってるので思う様にオールをコントロールする事が出来ない。今まで漕いでいた二人に感謝と尊敬の眼差しを向けていた僕。

これは...いくらなんでも300ルピーじゃかわいそうだったかなぁ。少しチップも渡さないとなぁ...なんて考えていたんだが、降りる時になって、 "しんどさ分かっただろ?だから500ルピーよこせ" と向こうから言ってきたので、僕の彼らに対するあの尊敬の気持ちは完全に消えた。もちろん納得していないようだったが 予定通り300ルピーだけ渡してその場を後にした。 


やっぱりインド人はインド人だな!!

そして一旦、宿に戻ろうと歩いていた帰り道 自称マサシ というやつに声をかけられた。

それがこの人。




全然顔がマサシじゃない。 逆にマサシの顔がどんな なのか聞かれるとうまくは答えられないが、これは間違いなくマサシじゃない。



あまりにツッコミどころが多いやつで、気にならずにはいられなかった。話を聞いてみると昔付き合ってた日本人の彼女からもらった名前だという、その日から彼はマサシ。


そして彼女の名前はマユミ。僕の母親の名前と同じ.....僕は彼をどうも他人とは思えず、これも何かの縁だと思い。連絡先を交換して、その日の晩、一緒に夜ご飯を食べる約束をした。



宿で一息二息つき、夕方はガンジス川の恒例行事、ヒンドゥーの儀式に参加しようと、街であった地方からやってきているインド人観光客と向かった。

7時からスタートと聞いて30分前にその場所へ到着したが、ものすごい人の数。


ベストスポットはすでに満員、僕たちはもちろん立ち見。次々と人が集まり、川辺にも船がつき船から覗く観光客達もいた。むさ苦しい中で時間がたち いよいよ儀式がスタート。


壇上に複数の男性が上がり、儀式を執り行う。

手に、特殊な火を扱う器具を持ってブンブン振り回している。彼らも十分暑そうだが、見てる僕達も実はかなり暑い。思う様に身動きも取れない状態で儀式を見届ける。

あまり変化のない儀式に、次第に終わりを待ち望んでる自分がそこにいた。1時間......楽しい時間はあっという間なんてよくいうけど、儀式の時間..とても長く感じたってことは楽しいものではなかったのかな....笑 今回の1回で十分お腹いっぱいだった。 どうもご馳走様でした。


先ほどあった自称マサシとご飯の約束をしていたので、約束の場所へ向かった。期待してなかったのに彼は僕より先に待ち合わせ場所で待っていてくれた。(外国人が約束を時間通り守るのは珍しいこと) 僕の彼に対する印象はグンと上がった。


僕はマサシにとりあえずバラナシの名物が食べたいと伝え、お店に連れてってもらった。期待はしていなかったけどやっぱり出てくるのはカレー。少しは味に変化が見られるかな....と微かな期待もしたが、今まで食べてきた味となんら変わりない。 これ以上期待するのはもうやめようと誓った。



気前よく、彼が奢ってくれたところまでは良かった。お互い満腹ではなかったのでもう一食、食べることで意見は一致した。マサシがピザを食べようと言ってきて、ちょうど僕も久しぶり洋食が食べたかったので二つ返事。



テイクアウトで彼のお家の前で近所の仲間達も呼んで食べた。てっきり前菜同様、今回もお金を払ってもらえるもんだと思っていたが、ピザ代は僕らしい。。1500円。大金ではないように思えるがインドで1500円の価値だと牛角二人分のの価値に等しい.....ずるいよ〜マサシ....だったら前菜のカレー代を俺が払いたかったよ。。


心の器が、紙コップほど大きさの僕からしたら、何とも釈然としない気持ちだ。


とは言え、その場は楽しい雰囲気に包まれていたので。場の雰囲気を壊したくない一心で我慢した。インド人らしい、ちょっぴりズル賢いところもあるけど、悪いやつではない(個人的見解) 集まった連れ達もなかなか面白いやつらばかりで楽しい席になった。

日本のヤクザについて興味があるらしく本人達はバラナシのヤクザ的存在だと言い張っていた(そうは見えない)


マサシは元カノと別れはしたけど、今も定期的に彼女とコンタクトは取っているらしく、マサシは美味しいチャイを彼女に、彼女はマサシに靴などを送ってくれるそうだ。(金額的に彼女の靴の方が高いな...) 相変わらずの世渡り上手だ。自身が現在履いている靴も彼女からいただいたらしく、誇らしく見せてくれた。思い入れもあるみたいなので僕にもそのナイキの靴が、他の靴よりも輝いて見えた。



美味しいピザをみんなで囲み、賑やかな夜。悪くない......やっぱりインド、、好きだ。


こうしてバラナシでの楽しい夜もあっという間に過ぎていく。


まだまだ僕の旅は続く。


最後まで読んでくれてありがとう。
次回も乞うご期待。



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