僕だけの世界地図 ~Going my way~

世界と僕だけの想い出

ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村                               にほんブログ村 旅行ブログ 学生世界一周へ
にほんブログ村

【シベリア鉄道】中国〜モンゴル コンパートメントは北朝鮮人と一緒⁉︎



いやいよ今日が待ちに待った
翔太の【世界の車窓から
第1弾: シベリア鉄道編


気合い十分の僕は出発時刻の5分前ギリギリに到着した
(どうせ遅れるだろうと見越して)


ホームは北京駅 1番ゲート

莫斯科→これがモスクワの漢字表記


すでに搭乗が始まっていた。
危ない危ない…
乗り遅れるところだったぜ

乗客のほとんどがロシアへ向かう、モンゴルで降りるのはモンゴル人と少数の中国人、そして僕だけだった。



ゲートをくぐるとそこには…

デーン!!!!!

看板にもしっかり書いてますね!
【北京-ウランバートル-モスクワ】
北京からモスクワまでは6泊7日
僕は途中ウランバートルで下車するので丸一日となる

シベリア鉄道とは北京からモスクワまでを結ぶこの列車の事だけでなく、ロシア極東部ウラジオストク〜モスクワ間を結ぶ長距離列車たちの総称でもあるのだ。

ユーラシア大陸を横断する列車として最も有名で一番長い距離なのが北朝鮮平壌からモスクワまでにして、総距離10.272km  
これが世界で一番長い距離とされている。
ちなみに乗車時間は1週間!

これが、世界一退屈な鉄道とも言われる要因なのだ。


北京からモンゴルまでの一日ぐらいが返って丁度よかったのかもしれない。


さっそく乗車!
一室4人席になっていて、車内にクーラーはなく扇風機のみ
停車中の車内温度は40°C
嘘だろ!これじゃ俺の燻製が出来上がっちまうぜ!!

長い時間の利用になるので、まずはトイレの確認
悪くない、中国国内のトイレに比べると断然綺麗。



暑さで死にそうだったので出発ギリギリまで、とりあえず外で待つことにした。


甲高い警笛とともに発車〜

一車両だいたい1人の車掌さんが担当していて、僕の車両のおっちゃんはツイてない事にかなり厳しめの人だった…
↑何言ってるのか分からないけど、何度も怒鳴られた
多分早く乗れって言ってるんだな。



僕のコンパートメントには他に2人、 乗客がいて、その人達がなんと!!

北朝鮮人!!!
マジか〜、なんかの工作員かな、夜もオチオチねてられないよぉ、闇の中に生きる人たちかなぁ、どっか連れて行かれたりするのかなぁ…
悪い妄想ばかり膨らむ。


最初、自分たちの事をKOREA出身と言っていたので韓国のどこか かなと思い込んでいた。
地図を見せて韓国のどこ?と聞くと北朝鮮の首都、平壌を指したのでビックリ!

North Korean やないかい!

北朝鮮の人たちは韓国人も含めて自分たちをKOREANと呼ぶのかぁ〜 

初めてお会いする北朝鮮人。
日本では滅多に会う機会はないけど、これはシベリア鉄道。北朝鮮からロシアまで繋ぐ路線、そう驚く事じゃないのかなぁと自分なりに心を落ち着かせる

日本のニュースで頻繁に注目を浴びる国という事もあって、こんな珍しい機会に聞きたい事が山ほどあったがあまり質問攻めも、失礼なのかな…むしろ僕がスパイと思われても嫌だし…と興奮する自分の気持ちを抑えて自然に過ごすことにした。


2人は夫婦らしく、終始ニコニコ、物凄く感じがいい人たちで 思っていた北朝鮮の人物像とはまるっきり違いなんだか拍子抜け。
むしろ聞きたい。自分が思い描く北朝鮮人の人物像って…

2人の間には子供がいないみたいで、僕の事を自分の子供のように面倒をみてくれて、なんだか凄く落ち着けて、とても居心地が良かった。


今回はロシアまではお仕事、北朝鮮とロシアを繋ぐ重要な役割(エンジニア)として訪れる予定だと話す2人。

旦那さんの名前が
ナム ソンコン 

奥さんが
ネーニス ナムソンコン パクソノ


それぞれを呼ぶ時の呼び方が全く分からない…


呼ぶたびに、ネーニスナムソンコンパクソノなんて僕のマウスがついていかない…

滅多にない機会なので北朝鮮の言葉を少し教えてもらった。

こんにちは
アンニュハセムニカ

ありがとう
コーマッスミダ

センムルスプリング

なんで数ある単語の中で【水】を尋ねたのかは自分でも分からない。


韓国語と少し似てるようだが、正確には違うらしい。 図々しさを前面に出して何か北朝鮮のモノが欲しいなぁとお願いすると。 お菓子や水を頂いた。

彼等は英語はそこまで話せないが、ロシア語は話せるようで ロシアでの生活を踏まえて車内ではずっと分厚い辞書を何度も何度も読み返していた。(アナログ)

持っていないのか分からないが、電子機器を使ってる姿は一切目にしなかった。


連絡先などを交換したかったが残念ながら叶わず…


国外に出てる北朝鮮人は国内では裕福層という僕の勝手なイメージだったが、見た感じ2人はすごく質素で高価なものなどは全く身につけていなかった。


ニュースで見た話だが、2人のように国外に出て働く人たちの収入の半分以上が国に収められていて、そのお金が全て軍事費に当てられている。

こんなにいい人たちが汗水流して働いたお金の半分以上がテポドンに…

複雑な心境だ

本当なのかな?とすごく気になったが、こんなこと聞いて気分悪くさせたら申し訳ないと思い、今こうして日本人と北朝鮮人は仲良く心を通わせられているので、今は戦争や国同士の話はやめようと、 僕の心の中にそっとしまっておいた。 

外の景色も北京を出て時間が経つにつれ少しずつ変わり始める
列車の中ではいろんな出会いがある、僕は他のコンパートメントの子供たちに同レベルと思われていたのか、寝る間もなく遊びの相手をさせられる

お菓子をもらったり
わんぱく小僧

ヘトヘトになるんだけど、やっぱり子供は可愛いね

日付が変わろうとしてた頃、ある駅に着いた。

エレンという駅

ここで乗客たちが一斉に降ろされる。
理由は荷物検査と出国スタンプを押すため。
つまり、これより先はモンゴルに入るということ。  いよいよだ!
ドキドキワクワクする午前1時半。


1時間ほどで車内に戻され、出発する列車。

パスポートが手元に戻ってこない事に心配しソワソワしだす北朝鮮の2人。
大丈夫だからと説得させながら、ある倉庫に入った


なんだこれ?
と思いながらただ見守ることしかできない僕たち。
すると列車が持ち上がり、車輪部分が取り外され新しい車輪が装着される

こんな感じの作業が3時間ぐらい続く。
でもなんで?

それは中国、モンゴル、ロシアで線路の幅が違うので国をまたぐ際に車輪を変えなければならないらしい。

乗ったままこんな作業…すごい要領の悪いような気もするが…

無事、車輪も変え終わり再出発して数時間。パスポート返ってきたので、なんの心配もなく眠りに着く。


翌朝、朝食の時間と共に起床した僕は北朝鮮人の2人を食堂へ誘うが 人混みは避けてるのか、テイクアウトで食べたいと言われたのでコンパートメントの中で食べることに。


列車には食堂が設けられていて、時間になるとそこで食事が提供されることになっている
こんな感じ  中国版 食堂車両

するといつの間にやら先頭車両だけでなく、後続車両と食堂車両もモンゴル仕様に変わっていた
モンゴル版 食堂車両

中国車両

モンゴル車両 誰1人外に出てない…


部屋も全然違う、1室2人

僕たちは自分たちの部屋へ戻り食事

昨日の晩と朝の料理のラインナップはこんな感じ。
引換券


朝食を済ませ、外を覗くといつの間にやられモンゴルのゴビ砂漠に突入していた

かっこよく身を乗り出して外を覗くと砂煙やら煤やら、クシャミが止まらない
この砂漠の中を4時間ほど…



子供たちの相手をしているうちに窓の外は次第に一面 緑の芝に包まれていく
おー! THEモンゴルや!!
ゲルはどこかなぁ〜


いつ出現するかも分からない街の光景を待ち続けていると急に集落が姿を現し始める


だんだん街になっていき…


そして!ついに、
長いシベリア鉄道の旅にも終わりの鐘がなる時が…

とんでもない量の荷物だ…

降りる時の車両は僕が北京から乗ったものとは異なるデザイン

世界一長くて、退屈な鉄道と言われてるシベリア鉄道。初めて乗ったという事もあってか退屈に感じる余裕などないほど驚きと、出会いの連続でした。 もう一度乗りたいかと聞かれても、うんと答えたいぐらい良い時間だったな。 初めて会う人たちでも同じ床(とこ)で寝る関係という事で次第に仲も深まったり、子供達といると賑やかでなんだか修学旅行を思い出したり。変わらない景色がしばらく続く時間もあるけど、それがまたいい時間だったりする。これは乗った人にしか分からない! 


そしてなんと言っても、北朝鮮の2人に出会えた事が僕にとって大きな財産となった。とても優しく、愛嬌があり僕の事を自分の子供のように面倒を見てくれた2人が大好きだった。 別れ際、本物の家族のようにお互い、この先の安全を願いハグをして別れた。


あまりのいい思い出に涙が出そうでした。

また2人に会えたらいいな。

行政的にはギクシャクしたり、日本人の中には悲しい出来事に巻き込まれた人もいるけど、無関係な国民たちまで敵にまわす事は、ないんじゃないかなと感じます。 近い将来とは言いませんが、いつか日本と北朝鮮の、国交がいい方向に進んでくれたらなと願ってます。


鉄道マニアじゃないけど、シベリア鉄道には本当に魅了されました。全く興味のなかった鉄道に関して、気になり始めている自分がいる…笑
是非、機会があったら乗って欲しい鉄道です。


モンゴル ウランバートル到着



最後まで読んでくれてありがとう

僕の旅はまだまだつづく